東京都議会激震、自民党都議3名が新会派設立
今週に入って東京都議会に衝撃が走った。なんと自民党の都議3名があらたに新会派を設立を表明したのだ。こうしたことに至った経緯や今後の影響、また3名の都議がどのような人物なのかを含めて解説したい。
自民党の都議3名があらたに新会派を表明
今週の28日に入って自民党会派に属する都議3名が、あらたに新会派「新風自民党」を結成すると表明した。こうした事態を受け都議会自民分裂と報じたスポーツ紙もあるようだ。
なお以後の都議会の勢力図は以下の通り。
都議会各会派(定数127)
自民党 57
新風自民党 3
公明党 23
日本共産党 17
民進党 14
民進党都議団 4
かがやけTokyo 3
生活者ネットワーク 3
無所属 3
今月に入り都議会自民党と公明党が連立を解消すると発表しており、今後は議会運営が不透明になりそうである。
なぜ新会派設立を表明したのか?
現在都議会自民党は苦境に立っているといわれる。理由はさまざまだが小池知事初都庁時に川井しげお議長が拍手拒否したり、200億の「政党復活予算」の廃止に伴い自民党都議達が小池知事に対して激しいヤジを飛ばした映像がテレビで繰り返し報道された為といわれる。また都議会のドンといわれる内田茂都議は週刊文春に汚職疑惑をたびたび追及されている。
都議会のドン内田茂(77)
「黒歴史」
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そのため自民党の若手議員は来年に実施される都議会選挙の当選が危いと感じているのではないか。実際に小池百合子知事は今回新会派成立を表明した3人にエールを送っている。
東京都議会の「都議会自民党」に所属する都議3人が28日、会派を離脱して、新会派「新風自民党」を設立すると表明した。自民党と対立する小池百合子知事は「勇気に報いる」と報道陣に述べ、来夏の都議選で連携する考えを示した。
今後は小池百合子知事と連携をとるとみられ、さらなる自民党会派からの離脱者の受け入れを目指すという。
「自民脱藩組」の受け皿となる意向も示した。
なお今回新会派設立を表明した都議は以下の3名。
大場康宣都議
職歴 (株)大場百貨店
世田谷区議会議員
2012年東京都議会議員初当選
世田谷区選出で今回2期目となる都議。世田谷区議を5期務めあげた後、2012年に東京都議選の補欠選挙に立候補し174,794票で1位当選。翌年の2013年の選挙において28,638票で3位当選(世田谷都議会議員の定数は8)。世田谷区議を5期務めた実績からみてもそこそこの地盤はあるのではないか。新会派の会長も大場康宣都議がなるという。
山内晃都議
学歴 マサチューセッツベイコミュニティカレッジ卒業
職歴 品川区議会議員
東京都議会議員
品川区選出で今回1期目となる都議。品川区議を3期務めたあげた後、2013年東京都議選に立候補し22,862票で2位当選(品川区の定数は4)。
木村基成都議
学歴 都立広尾高校卒業
東京経済大学卒業
法政大学大学院修士課程修了
職歴 海洋土木会社
小金井市選出で今回1期目となる都議。参院議員中川雅治氏の秘書を7年務めた後、2013年の東京都議選に立候補し15,075票で当選(小金井市の定数は1)。
新会派設立を表明した3人の選挙事情
来年の都議会選挙で最も重要になるのは、都議会自民党と公明党が連立を解消したことだろう。その為、前回の選挙で公明党の支援を受けて当選した自民党の都議が苦戦を強いられるのは間違いない。実際に今回新会派設立を表明した小金井市選出(定数は1)の木村基成都議は、公明党が立候補表明しなかったため当選できたようなものだ(2位の候補との票差は数百)。また大場康宣都議や山内晃都議の選挙区では公明党の現職議員がいるが、両者ともトップ当選ではない。
今後の影響
今回新会派設立を表明した都議はいずれも1期から2期の都議会議員としては若手である。こうした若手の都議の選挙は、世論の影響を受けやすいので小池百合子知事と連携した方が有利と判断したのかもしれない。中堅や幹部となると地盤もしっかりしており自民党の持つ組織力に頼った方が有利だろう。ただ都議会自民党の中にも現執行部に不満を持つ人が20人ほどいるといわれており、今後どういった流れになるのかは分からない。
都議会自民党の都議の一人は「会派離脱者は2ケタになるかもしれない」と述べた。